タイトル:『社交ダンスの“チャチャチャ”ってどんな音楽?』

チャチャチャってどんな音楽

「チャチャチャ」という音楽の名称を聞いたことはありますでしょうか?

もしかしたら「おもちゃのチャチャチャ」が真っ先に浮かぶかもしれませんが、まさにその通り!逆にこの曲名でないと、あまり聞き馴染みがないですよね。

チャチャチャという音楽は、実は「マンボ」から発展したといわれています。

マンボの歴史はまた改めてご紹介するとして、チャチャチャはいつから生まれたのかというと、今から60年以上前。元々1940年代にマンボを広めたのがアントニオ・アルカーニョの楽団とされていますが、そこに所属していたエンリケ・ホリーン(作曲者兼ヴァイオリン奏者)がオルケスタ・アメリカ楽団に加わり、1953年に彼が作曲した「ラ・エンガーニャドーラ(惑わす女)」がヒットしました。

この曲こそが、世界で最初のチャチャチャ音楽とされています。

今のチャチャチャのイメージとは違って、実はスローなテンポの楽曲ではありますが、ダブルビートが終わった後にアクセントを取り入れているところがとても特徴的です。

そして、チャチャチャというこのリズムは、ホリーンがダンサーのステップを聞いたとき、そのステップで床を叩く音がキューバの擬音語である「チャチャチャ」に聞こえるとして、これだ!と思い付いたのだそう。

 

カウントは、「ワンツースリーチャチャ、ワンツースリーチャチャ」となります。

日本人でありがちなのが、「ワンツーチャチャチャ」というカウントの取り方。

確かにこちらの方がしっくり感じてしまうかもしれません・・・

しかし、正しいカウントの取り方は「1,2,3,&,4」ですので、間違えないようにしましょう。

また、6種目の中で最も速いリズムのため、最初はゆっくりこのカウントの取り方を体に馴染ませてから、徐々にこの速さに慣れる必要があります。

 

歴史に戻って、チャチャチャが広まった当時の楽曲は、どちらかというとマンボよりもスローだったため、ダンスが踊りやすくステップも華麗に美しく見えると、キューバでは大人気でした。

しかし世界的にはまだまだマンボのブームの最中。それにも関わらず、ラテンの文化が根付いているキューバではマンボよりもいち早くチャチャチャに人気が集まっていたのですから、さすがですよね。

 

今ではチャチャチャはラテンアメリカ種目の一種として知られていて、音楽もとても軽快なイメージが強いです。ダンスに対しても、その音に合うような、メリハリがあって歯切れのよい動きが求められます。

キレのあるダンスはとても見ごたえがあり、競技会では10種目の中でも最も手拍子が似合うので見ていても楽しい種目のひとつではないでしょうか。

 

また、社交ダンスにはLOD(Line Of Dance)と呼ばれる交通ルールのようなものがあり、フロアを左に、つまり反時計回りに動きながら踊る種目があります。

例えばスタンダードの種目はすべてこのLODを意識する必要があるのですが、チャチャチャの場合は、大きく動き回ることはなく、ほぼその場でコンパクトに踊ります。

なので、衝突の危険性もないので周りの動きをそこまで気にすることなく、ダンスに集中しやすいかもしれませんね。

 

ここで、チャチャチャのステップをいくつかご紹介しましょう。

 

・オープンベーシックムーブメント

・オープンヒップツイスト

・ニューヨーク

・アレマーナ

・スリーチャチャ

・ナチュラルトップ

・ショルダートゥショルダー

 

まだまだ沢山のステップがありますが、この中でニューヨークやショルダートゥショルダーは、実はルンバにも存在するステップです。

こういった共通点が多いところから、チャチャチャとルンバは似ているという声をよく聴きます。この2つのダンスの大きな違いは、チャチャチャには「シャッセ」という動きが加わるという点。

「開く・閉じる・開く」の3歩をクイック・クイック・スロー(QQS)のリズムに合わせて行なうステップのことを指します。

そういえば、数年前に流行したコアリズムにもよくこのステップが取り入れられていましたよね。

チャチャチャで使われるシャッセにも合計9種類もあるので、色々なシャッセを取り入れることによって更に楽しいダンスに仕上がるでしょう。

 

さて、いかがでしたでしょうか?

チャチャチャ、マンボ、ルンバ、など、ラテン音楽にも色々なリズムがありますが、陽気で軽快なリズムの“チャチャチャ”はきっと踊っていても楽しくなること間違いなし!

是非チャレンジしてみてくださいね。